紗英ちゃんとしぃが帰ってから、私は1人教室でボーッとしていた

いつもは、千波と一緒に帰っていたけど

今日は千波とバカな会話しながら帰る気にはならなかったので、先に帰っていうとメールした

私って、矢沢先生のことが好きなのかな…

自分でもよくわかんない…

でも、思い返してみれば

矢沢先生と廊下ですれ違うときとか

矢沢先生がグラウンドで授業しているときとか

何だかんだ言って、先生のことを目で追ってた気がする

これが好きってことなのかな…

そんなことを考えていると

ガラッと教室の扉が開いた

「おっ!神崎か、ひびらせんなよ…」

扉を開けたのは、担任の小松先生だった

「あっ、先生だぁ」

小松先生も矢沢先生と同じで若い先生だった

「お前、なんだよ。その態度、矢沢先生も困ってたぞ」

「ふーん。そうなんだ」

「何だそれ、お前矢沢先生大好きだろ?」

はぁ!?小松先生までそんなこと言うの?

「反対、大嫌いだよ…」

「素直になれよ」

「それ、さっき紗英ちゃんとしぃにも言われた…」

当たり前だ。と先生は笑いながら言った

「じゃあ、気をつけて帰れよ」

「うん、さよならぁ」

先生は教室を出て行った

素直かぁ…