少しの間、沈黙が続いた

ガラッ

教室の扉が開いた

「紗英ー!!お待たせ!あれっ、ケンカ中?」

教室に入って来たのは

紗英ちゃんの彼氏、笹川弘樹〔Sasagawa Hiroki〕だった

「ヒロ、お疲れ様。ってか、ケンカじゃないし」

弘樹はサッカー部のキャプテンをしている

「じゃあ、あたし達行くね。あっ、葵強がってないで素直になりなよ」

紗英ちゃんはそれだけ言うと弘樹と手を繋いで帰って行った

「恭ちゃんももう部活終わったかな?私も行くね」

「うん、バイバイ」

「また、明日ね」

恭ちゃんとは、野球部に入っている、井上恭弥〔Inoue Kyouya〕

しぃの幼なじみでいつも恭弥と帰っていた

しぃは恭弥のことが好きらしい

ちっちゃい頃から恭弥のことが好きって言ってた

私は、しぃと恭弥は両思いだと思う

わかんないけどね

パタパタパタ

足音が聞こえた

「言い忘れてた!私も紗英ちゃんと一緒だけど、素直になってね」

しぃが走って戻って来た

「うん、わかったよ」

「なら、いいけど」

「恭弥、待ってるかもよ?」

「うん、行くね」

しぃは廊下を走って行った