pure love

「ヤベェ。マジで行きたくねぇよ」


渉くんはそう言いながら、またぎゅっと抱きしめてくれた。


それに答えるように、私も腕を背中にまわし、ぎゅっと抱き着く。


「あっ、そうだ。花火大会の日はバイト休めたから、一緒に行こうな」


夏休みの最後の日にある花火大会。


それに五人で行く約束をしていた。


「うん」


渉くんの腕の中で返事をすると


「本当は胡桃と二人きりで行きたいんだけどな」


渉くんはにこっと笑いながら、私の頭を撫でる。


しばらくの間、抱きしめ合っていた私達。


気が付けば、渉くんはバイトへ行かなきゃいけない時間に。


渉くんに寮まで送ってもらい、そのまま渉くんはバイトへ向かった。