pure love

「胡桃、あの後から俺の方見ないから。だから、怒ってるのかな、って思って……」


そう言いながら、渉くんは不安そうな表情になる。


「あっ!言っておくけど、ちゃんと断ってたんだからな!!つか、あの人達、断ってるのに、すげーしつこいし」


渉くんは慌ててそう言う。


「うん。私……怒ってないよ」


そう答えながら、私は渉くんから目を逸らす。


渉くんが怒っていなくて、よかったのだけど。


それじゃぁ、さっきのため息は?


私が渉くんを見れないのは、隣にいるだけでドキドキしてしまって心臓がもたないから。


それに、女の人達に囲まれているのを見た後の事は……


渉くんの横にいるのが私でいいのかな?


って思ったから。


私が勝手に不安になってるだけなんだ。