ガチャ――


「お茶入ったわよー」


いきなり渉くんの部屋のドアが開き、おばさんが入って来る。


私は恥ずかしくなり、パッと渉くんから離れようとする。


「急に入ってくるなよ!ノックぐらいしろよな!!」


だけど、渉くんは私の手を握ったまま。


「あーら、急に入って来られて困るような事していたのかしら?」


そう言いながら、おばさんは笑顔を見せる。


おばさん……

もしかして、渉くんをからかって楽しんでない?


「お袋!もういいから出てけよ」

「はいはい。胡桃ちゃん、何かあったら叫んでね。おばさん飛んで来るから」


「ふふふっ」と、おばさんは笑いながら部屋を出て行く。