渉くんは、白のVネックのTシャツにジーンズ、それにネップテーラードジャケットを羽織っていた。


そんな渉くんを駅前にいる女の人は、みんな振り返って見ている。


やっぱり渉くんは立っているだけでカッコイイよな……


今までの私なら


“隣にいるのが、本当に私でいいのだろうか”


そう思っていた。


だって、私は自分に自信がないから。


でも、今も自分の容姿に自信を持てているわけではないけど、渉くんが私の事を大切に想ってくれている事は、ちゃんとわかっている。


だから、


“私でいいの?”


って思う事はなくなっていった。


「じゃ、行こうか」

「うん!」


私達は手を繋いで歩き出す。