3月14日――…


今日はホワイトデー。


久しぶりに渉くんとデートをする。


私はすごく嬉しくて眠れなかった。


そして、眠れなかった私は、朝早く起きて何を着るか悩んでいる。


だって、少しでも“可愛い”って思ってもらいたいから。


悩んだ結果、今日は遊園地に行くという事で、白のシフォンブラウスにカーキのショートパンツ、少し肌寒かった今日は、ニットジャケットを羽織り、首元には小花柄のストールを巻く。


そして、動きやすいように足元はローヒールのパンプスにした。


待ち合わせ場所である駅前に10分前に着いてしまった私は、久しぶりのデートにそわそわしていた。


すると、走ってこっちに向かって来る渉くんに気付く。


「ごめん、待った?」

「ううん」


そう言って、私はにこっと笑う。


だって、私が早く着き過ぎただけだから。