pure love

「渉くんの事、気付かなくてごめんなさい。でも、渉くんの事、忘れた事なかったよ。だって……、私の初恋だから。私も初めて会った時から、渉くんの事好きだったの。でも、私がスイミングスクール辞めて会えなくなって、諦めたの」


胡桃は俺を見上げたまま


「私こんなんだから、渉くんとは釣り合わないって思っていたから。だからっ……」

「誰がそんな事言ったんだよ!」


“俺と釣り合わない”なんて、わけのわからない事を言う、胡桃の言葉を遮る。


そして、抱きしめていた腕の力を緩め、また、胡桃の両肩を掴む。


「俺は胡桃の事が好き。ずっと一緒にいたい。周りが何て言おうが、関係ないよ」


俺がそう言うと、胡桃の目から、また涙が溢れ出してくる。


「お前泣きすぎ」


そう言って、俺は胡桃の頬にそっと手を添え、胡桃の唇にそっと触れる。


すごく、すごく優しいキス。


すると、胡桃の目からまた涙が流れる。