pure love

「待って!!私っ、私……」


胡桃にシャツを掴まれ、俺は振り返る。


すると、胡桃は泣いていた。


「胡桃?」


俺は、そんな胡桃をじっと見つめる。


「私も渉くんが好きなの。でも、自分に自信が無くて……。今言ってくれた事も信じられなくて……」


マジで?

胡桃も俺の事を?


俺は泣いている胡桃をそっと抱きしめる。


そして、今まで言えなかった気持ちを、全部伝えようと思った。


「俺、胡桃の事、初めて会った時から好きだった。だから、同じ高校だって知った時、すげぇ嬉しかった。でも胡桃、俺の事、全く気付いてないんだもんなぁ……」


はははっ、と笑いながら、俺は続ける。


「だから、今年、一緒のクラスになれて嬉しかった。でも、同じくクラスになっても、胡桃、俺の事、気付いてないし。幼稚園の頃の事だし、一緒に居た期間も短かったから、俺の事なんて覚えていないのかも、って思っていた」


俺の言葉に胡桃は顔を上げる。