pure love

その後ろ姿を見ながら


「はぁ……」


大きなため息が自然と出る。


だって、


「こんな風になんて、言うつもりなかったのに」


今みたいに、勢いで伝えるんじゃなくて。


ちゃんと胡桃に気持ちを伝えたかった。


俺は抱きしめていた腕を緩め、胡桃の肩に手を置く。


そして、


「胡桃、聞いて……。俺……、胡桃の事、好きなんだ。だから……、付き合って欲しい」


もう一度、改めて、ちゃんと気持ちを伝える。


だけど、胡桃は黙ってしまう。


「ごめん、迷惑だよな。胡桃だって好きな奴いるよな。ごめんな。いきなり、こんな事……」


そうだよな。

迷惑だよな。

胡桃は優しいから……

きっと、どうやって断るか悩んでいるんだろうな。


黙ったままの胡桃に


「……もし、また何かあったら言えよな」


そう言いながら、胡桃の頭をくしゃっとし、歩き出す。


その時――…