pure love

球技大会が終わってから、胡桃は何度か呼び出されていた。


いつも日向と山梨が一緒だから、何事もなく済んでいるみたいだけど。


胡桃が言ってこないから、俺は何も出来ずにいた。





ある日の放課後――…


帰ろうとした胡桃を引き止める。


「胡桃、最近元気ないよな?何かあった?」

「そんな事ないよ?元気だよ!!」


なんで、何も言ってくれないんだよ。

俺って、そんなに頼りないのか?


「……ならいいけど。何かあったら言えよな」


俺は作り笑顔をして胡桃の頭をくしゃっと撫でた。


でも、心の中は何も言ってくれない寂しさと、何も出来ないもどかしさでいっぱいだった。