pure love

「なに?なに?二人何かあんの?」


胡桃の友達が俺と胡桃を交互に見る。


「えっ、何もな……」

「小さい頃に通っていたスイミングスクールが一緒だったんだよ。って言っても、コイツは覚えていないみたいだけどな」


“何もない”


そう言いかけていた胡桃。


思い出してもらえなさそうだったから、俺は胡桃の言葉を遮って、結局自分で言う事にした。


「えぇぇぇ!?」


そんなに驚くなよ……


胡桃の態度に、俺はますますヘコむ。


俺がヘコんでいる事に気が付いていない胡桃は


「やっぱり……、あの“あゆむくん”?」


少し自信なさげに、そう言った。


えっ?

やっぱり?

“やっぱり”って、本当は、気付いていたのか?


「気付くの遅ぇよ!」


さっきまでヘコんでいた俺。


なかなか気付いては貰えなかったけど、覚えていてくれた事がすごく嬉しい。


だから、つい胡桃の頭をぐしゃぐしゃって撫でていた。


あっ、やり過ぎたかな?


そう思いながらも、俺の心は弾んでいた。