pure love

「えっ?何!?どうしたの?」


俺の視線に気付いた胡桃は、驚き、俺を見る。


「イヤ、別に……」


そう答え、そして、


「胡桃、俺の事、本当に覚えてないし……」


俺は聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟く。


正直なところ……


胡桃が自分自身で思い出して欲しい。


そう思うのだけど、このまま思い出されないのも悲しいから、俺は胡桃にはっきりと聞く事にする。


「なぁ、お前さ……、覚えてねぇの?」

「えっ?何を?」


胡桃は、きょとんとした顔で俺を見る。


……完璧、忘れているし。

じゃぁ、これなら思い出してくれるよな?


「はぁ……。くーちゃん、ひでぇよな」


俺は、昔呼んでいた呼び名で呼んでみる。


……って、おいっ!

それでも気付かないのかよ!


胡桃の反応はというと、わけがわからないという感じであたふたしている。


マジで、ヘコむわ……

はぁ……


俺は大きなため息を吐く。