「やったな、同じクラス。今年もよろしくな!……って、おいっ!渉、聞いてんのか?」


陸に話し掛けられハッとする。


「あっ、悪い。今年も陸と一緒なのか……」

「嫌なのかよ!!」

「ははっ!嘘だよ」


俺は陸と冗談を言いながら、さっき胡桃がいた場所へ視線を戻す。


いない、か……


会えてすごく嬉しいけど。


もし声を掛けたとして、俺の事、覚えていなかったら……


かなりショックだよな。


「渉?どうしたんだよ。さっきからボーっとして」

「なんでもない。とりあえず、行くか」


俺達はホールへ向かった――…