渉くんはプシュッと一吹きし


「あっ、この匂い好きだ。ありがとうな」


そう言うと、私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。


「なぁ……、明日さ、どこか出掛けない?」

「うん」


最近、勉強ばっかりでどこにも行っていなかったから、渉くんのその誘いがすごく嬉しい。


「じゃぁ、明日、迎えに行くから。寒くなってきたから、帰るか」


そう言うと、渉くんは寮まで送ってくれた。