pure love

「胡桃が気付いてないだけだよ。あんな可愛い姿、誰にも見せたくないのに……。なんかムカつく」


渉くんはムッとした口調になる。


私はその言葉や口調に、顔が熱くなるのがわかる。


渉くんがヤキモキを妬いてくれた事が嬉しい。


「私だって……。渉くんの執事姿、たくさんの女の子達に見られるのや、囲まれている所を見るの、嫌だったよ」


いつもは、嫌だけど“仕方がない”と思うようにしていた。


だから、そんな事は言わないのだけど。


だけど、今日は不思議と素直に言葉が出た。


私がそう言うと、くるっと渉くんの方に向かせる。