私達は裏庭に行き、お弁当を食べはじめる。


そして、二人に


渉くんを見ているだけでも、ドキドキする。


でも渉くんは人気者だから、私なんかが好きになっても無駄。


だから好きにならない、って決めたけど……


そんな今のモヤモヤした気持ちを話す。


黙って話を聞いてくれていた繭花が


「胡桃さぁ、『私なんか』って言うのやめな!五十嵐の事、好きなら好きでいいじゃん。気持ちを隠すような事しちゃダメだよ。素直にならなきゃ」

「でも……」


繭花には『私なんかって言うな』と言われたけど。


渉くんは人気だし、私なんかが……


そう言おうとした私を繭花は遮り


「ドキドキするんでしょ?認めなよ。好きになるくらいいいじゃん。その後どうするかは、胡桃次第だけどね」


まっすぐ私を見ながら言う。