pure love

「胡桃ちゃん?」


振り向くとそこに陸くんがいた。


「あっ、陸くん。若菜は?」

「あぁ。若菜ちゃん、今、進路指導室行ってる。胡桃ちゃんこそ渉は?」

「誰かに呼び出されてる、と思う……」


何処に行くかを聞いたわけではない。


モテる渉くんが呼び出されるのはいつもの事。


ただ、私と付き合い出した頃は、少し収まっていたが、3年になってからは、また増えてきていた。


「まっ、もうすぐ渉も若菜ちゃんも戻ってくるだろうから待ってようよ」


陸くんはにこっと笑って、私の前に座る。


そして、渉くんと若菜が戻ってくるまでの間、話をしながら待つ。