「なぁ、胡桃は何に出る?」


渉くんは私の事を“胡桃”って呼ぶようになった。


さすがに高校生にもなって“くーちゃん”と呼ぶのは、恥ずかしいらしい。


あの時は、私に渉くんの事を思い出さそうと、“くーちゃん”とわざと呼んだみたいだけど。


「えっ、私?バスケだよ」

「それじゃ、俺もバスケにしよ」


えっ?

なんで?


きっと渉くんは、決めるのが面倒で私が言った種目にしただけなのに。