学校帰りに街に出て、ブラブラした後、いつも寄る寮の近くの公園に行く。


ベンチに座り、もうすぐある修学旅行の話などをしていた。


「もうそろそろ帰らなきゃな」


渉くんは公園にある時計台を見ながら言う。


気が付けば、もう18時を過ぎていた。


「あっ、渉くん。あの、これ……」


私はプレゼントを渡すタイミングが掴めず、結局、今になってしまった。


「ありがとう。開けていい?」

「あ、いや……。家に帰ってからで……」


別に、プレゼントは開けてもいいのだけど。


プレゼントの中に、メッセージカードも入れた。


普段、自分の気持ちを言えない私。


メッセージカードに、普段言えない分、“好き”って気持ちを書いていた。


それを今見られるのが恥ずかしかったんだ。


「ん?わかった。胡桃、ありがとうな」


そう言うと、渉くんはそっと私を抱きしめた――…