pure love

橘くんが出て行った今、この部屋には渉くんと私、二人きり。


私も渉くんも黙ったまま。


何か気まずくて、私は俯く。


「……胡桃、熱は?」


先に沈黙を破ったのは渉くん。


「さっきよりマシになったよ」


少し寝たから、身体はラクになっていた。


「とりあえず、横になれよ」


渉くんは私をベッドに寝かし、話し出す。


「胡桃……、ごめんな。俺の勝手な計画のせいで、不安にさせて。さっき橘から聞いた。それに、風邪も引かせてしまって、ごめんな」


渉くんは私の頭を撫でながら、申し訳なさそうに言う。


「ううん。私が勝手に不安になっちゃっただけだから……。私こそ、ごめんね」


私は渉くんを見上げながら言う。