pure love

「もしもし、ごめんなさい。もう着いちゃったよね?どうしよう……。胡桃、熱出しちゃって。五十嵐くんはバイトだって言うし、こんな日に……」


私は若菜の服を引っ張り


「行っといで?私は大丈夫だから」


布団の中から、にこっと笑いながら言う。


「でも……」


若菜が渋っていると


「俺が居るから、お前は行ってこいよ。でないと、コイツも気にするだろ」

「でも……」


それでも渋る若菜に


「……それに、もうすぐしたら、渉、来るから」


橘くんは言いにくそうに口にする。


「えっ?」


私と若菜は顔を見合わせる。