pure love

ピピッ ピピッ――


体温計は“38.7度”と表示した。


昨日、そのまま寝ちゃったからだ。


若菜は、寮母さんから薬と冷えピタを貰ってきてくれた。


私はその薬を飲んで、冷えピタを貼り、ベッドに横になる。


「ごめんね……、ありがとう」

「ねぇ、五十嵐くんに電話しなくていいの?」

「渉くん、今日バイトだから……。寝てたら治るから大丈夫だよ」


私の言葉を聞いた瞬間、若菜の表情が変わる。


「五十嵐くんバイトなの?」

「うん」

「今日、胡桃の誕生日だよね?何で?」


“何で?”って聞かれても……


それよりも、普段、ほわんとしている若菜が、こんなに怒るなんて珍しい。