わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 田所は北校舎、私は南校舎だ。

 別れるべきはずの、2階の南校舎へ続く渡り廊下まで来ても、田所は私の手を離さず、そのまま北校舎を田所のクラスへ向かって歩き続けた。


「ねぇ、田所、私はこっちじゃないよ」

 手を強く引かれ、その力に逆らうことができず、仕方なく引っ張られるまま田所の数歩後を歩きながらも訴えた。
 田所は「うん」とだけ答え、振り返ることも、足を止めることもしてくれない。

 何を考えているのだろう。
 顔が見えないから、どんな表情をしているのかもわからない。


 始業のチャイムが鳴った。
 ここからじゃ、走って戻っても5時限目の授業に間に合わない。