「へぇ、新しい彼女?」
言って私の全身に視線を走らせる。
酷く不快だった。
「先輩たちには関係ないっすよね?
じゃっ」
おどけたように笑って言い、踵を返しながら私の肩を巻き込むように抱いて、田所は再び歩き出した。
けれど、
「待てって」
えりか先輩の彼は、背後から田所の肩を掴んで振り向かせた。
「何すか?」
田所が苛立った口調で言う。
その不機嫌顔は、普段私に見せるものとは全く違って。
もの凄く腹を立てているのだと一見しただけでわかる。
喧嘩なんかが始まったりしたらどうしよう。
不安と恐怖で、私の身体の熱がみるみる失われていくように感じた。



