わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 田所はズルい。
 その笑顔は紛れもなく武器だ。
 そんな笑顔を見せられたら、ほとんどの女子は逆らえない。


「え? あ、うん。いいけど」

 女子生徒がすんなりと鍵を受け取ってくれ、難なくミッションクリア。
 あまりにも呆気なくて。
 なんだか無性に笑えてきた。


 お昼休みも残りわずか。
 照哉くんたちとの合流は諦め、私たちはそれぞれの教室へ戻ることにした。

 なんとなく無言のまま、再び手を繋いで廊下を歩いていたのだけれど、突然、私は堪えきれなくなって笑い声を漏らしてしまった。

「何だよ?」

 眉を寄せて田所が隣の私を見下ろすので、「何でもない」と答えたけれど、それがまた余計に笑えた。

「意味不」

 ボソリと田所が言い、見上げれば、田所の横顔も笑っていた。