「どうしてよ?」 「あっついだろ? それにお前の手、汗ばんでて気持ち悪ぃ」 「汗ばんでんの、私じゃないよ、田所だよ」 「てめ、俺に罪なすり付けやがって。 俺は無実だ」 挙句、私の腕を空いている方の手で掴むと、力ずくで引き離した。 酷い、あんまりだ。 ちょっとだけ涙出てきたし。 けれど、田所はすぐに私の左肩に自由になったその左手をフワリと載せて、 「やっぱこの方が落ちつく」 そう言って、照れ臭そうに笑った。