わたしとあなたのありのまま ‥2‥



「うん、平気」

 と答えてはみたけれど、顔がどうにも突っ張ってしまって、巧く笑えない。


「お前、何やってんの?」

 今一番会いたくない人の声が間近で聞こえ、背中を冷たい感覚が走った。
 咄嗟に、ブラウスを掴んで、見られたくない部分を隠した。

 朱莉ちゃんと二人して見上げれば、田所は相変わらずの無表情で私たちを見下ろしていた。


 田所はすぐに状況を把握したらしく、

「そんなまな板みてぇな胸で、どうやったらはち切れるんだよ?
 ミステリーだな、殺人事件だな、湯けむり殺人事件だな」

 などと面白がって言う。

「い……意味わかんない、バカじゃないの?」

 しまった、どもった。
 田所が一瞬真顔になったのを、私は見てしまった。

 けれど、すぐまたバカにしたように笑うと、

「どもってんじゃねぇよ、だっせ」

 軽く握った拳で、私のこめかみを優しく押した。