取れてしまったボタンを拾って、屋上を後にした。
運良く二つとも見つかったことに、ホッとした。
こんな胸元肌蹴た状態、恥ずかし過ぎるもの。
三年生のところへ鍵返しに行けないし。
まだ目は赤いだろうけれど、急がなくては。
昼休み中に鍵を返したい。
教室へ戻って、裁縫セットを常備していそうな、クラス委員の朱莉(アカリ)ちゃんに声を掛けた。
「田所くん、独占欲激しいね」
隅っこに移動して、ボタンを付けて貰っていると、朱莉ちゃんがそう言って苦笑した。
言っている意味がわからず首を傾げると、朱莉ちゃんは「これ」と、人差し指で私の胸の谷間(であるはずの場所)にチョンと触れた。
見ると小さい痣のようなものが出来ていた。



