「これ、どうしたの?」
思わず尋ねれば、「チカシにこっそり借りた」と悪びれることなく答え、クルリと身を翻して私に背を向け、冬以は歩き出した。
三年の人なんか、どうやって探せって言うの?
「クラスは?
クラスがわからないと……」
「知らない」
冬以が振り返って、私の問いにかぶせるように答えた。
再び足を止めた冬以は、私を不思議そうに眺める。
何なの?
「ほのかちゃん、余裕あるね。
苛め方、生温かったかな」
言って、ニッと一瞬だけ微笑んで見せると、すぐにまた踵を返し、冬以の背中は遠ざかった。
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