冬以の両手首を掴んで、必死に抵抗したけれど無駄で。
ブラウスを掴んだままグイと引き寄せ、冬以は私の露わになった胸に顔を埋めた。
「いたっ……」
チクリと、乳房の少し上に痛みを感じて思わず声を上げた。
その痛みが終わったと思ったら、冬以は乱暴に私を突き放して一歩下がった。
背中をフェンスに叩きつけられ、全身に衝撃が走った。
冬以はチャリっと小さな金属音を鳴らして、ズボンのポッケトから何か取り出すと、反対の手で私の手をそっと持ち上げ、それを握らせた。
「三年の『イイジマチカシ』にそれ、返しといて」
さっきとは打って変わって優しい表情で言う。
手の平をゆるゆると開いて、そこに視線を落とせば、『屋上』と書いた木の札が目に入った。
屋上の鍵?



