とうとう背中がフェンスに触れて、それ以上下がれなくなった。
冬以も足を止める。
これ以上近づけば、二人の身体は密着してしまう、それほどの至近距離だった。
スッと冬以の右手が私の頬に触れ、咄嗟にそれを、はたき落した。
「触らないで!
誰があんたなんかと!
卑怯な手使って、私を呼び出しといて、
用件はそんなくだらないこと?
あんたなんか、顔も見たくないのに。
付き合うなんて、全然考えられない」
頭に血が上って、何も考えられなくなった。
ただ、憤る気持ちをそのまま冬以にぶつけた。
「お前って、ほんとムカつくよ。
そうやって、他人の気持ちなんか少しも考えないで言いたい放題」
言って冬以は、私のブラウスの胸元を掴んだ。
そうして勢いよく開く。
ボタンが二つ、弾けて飛んだ。



