わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 冬以は背の高いフェンスの外側に立ち、左手には携帯電話、空いている右手は、私に向かって振っていた。
 その顔には、子どものように無邪気な微笑みを浮かべて。

 気持ち悪い。
 吐きそう。


 けれども、放っておく訳にもいかなくて。
 冬以は『飛び降りる』という言葉を口にしたから。

「危ないよ。
 今すぐ、フェンスの中に戻って」

『あんたが来るまでここに居る』

 私の説得など全く受け入れることなく、冬以はそう言い張った。


「わかった、すぐ行く」

 従うしか無かった。
 だって後追い自殺って、実際にあるから。

 冬以をもしこのまま死なせたら、絶対に後悔する。
 そして、私だけでなく、田所まで更に苦しめる。
 そう思ったから……