けれども山田は、私の気持ちなんかお構いなしで。
そのマシンガントークは止まらない。
「せらちゃんは、今以上痩せたら困るから、控えめにしねぇとな。
辛いけど耐えるしかねぇよな。
愛、イコール、自己犠牲。
これ、俺流恋愛方程式」
言い終わると、キラリ、と微笑んでみせた。
この男、どこまで私をイラつかせれば気が済むのだ。
「山田の性欲事情なんか、誰も聞いてないし。
てか聞きたくない。
もう本気でうっとうしいから、どっか行ってよ」
「秋山、俺らのラビュラビュが妬ましいんだろ?」
「何? 『ラビュラビュ』って?
ばっかじゃないの?」
「やめなって、二人とも」
見るに見兼ねたのか、聞くに堪えなかったのか、綾子が口を挟む。
そして、私に冷たい視線を注ぎ、
「ほのか、トイレは?」
と、余りの怒りにすっかり忘れていたことを、思い出させてくれた。
「そうだった。
行って来る」
ちょっとだけばつが悪くて、ボソボソと小声で呟き、すぐさま教室出口へ向かった。



