「綾子、後でね~」 走り出す私に、 「ちょっ、ほのか! どこで落ち合うとかまだ決めてないじゃん!」 背後で綾子が叫んだけれど、聞こえません。 私たちは、『携帯電話』という便利なものを持っているはず。 それで通信すれば良いだけのこと。 が、 「待て、ほのか」 再び後ろ襟を掴まれ、引き留められる。 今度は勢いがついていたため、首が締まって苦しい。 どうしてこうも私の目的達成の邪魔ばかりするのだ、田所は。