「なんかあったかくていいなって思っただけ。 ゴメン」 何故だか田所の方が謝った。 そっか。 母親が『フツーのオバチャン』。 田所にとってそれは温かいことで、もしかしたら幸せそうにすら映るのかもしれない。 田所は、そんな『小さな幸せ』すら持っていないのだと、そう思ったら、また愛しさが溢れてきて止まらなくなった。 無意識に手を伸ばして、田所の髪をそっと撫でた。 愛でるように何度も何度も。 けれど、田所は不機嫌に目を細めて、私のその手を指差しながら、 「何コレ?」 と不満げに聞く。