わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 私の腕が田所の胸と自分のそれに挟まって、骨が軋むほどに痛い。

 でもそれは苦痛なんかじゃなくて。
 ただただ、温かくて心地よくて幸せで。


 私が握っている、田所から貰ったカチューシャが壊れてしまわないかと、それだけが唯一不安だった。



「田所がハゲてデブっても、私だけは愛してあげるから」

「うん、俺も。
 ある日突然、朝目覚めたらほのかがブタになってても、俺はブタほのかを愛し続けてやる。
 まぁ今とそんな変わんねぇから、特に問題ないし。
 でもたまに人間と浮気するかも。
 そこは大目にみろな」

「何それ? 本気でムカつく。
 そして長い!」


 田所が喉奥を鳴らして笑う。
 それが私の鼓膜を揺らして、また幸せな心地よさに満たされた。