「田所、エロい。 そして日本語も変」 「そうか? エロいのは認める。 けど俺、国語『5』だし」 「うそっ。私よりいい」 思わず少しだけ身を引いて距離をとり、田所の顔をマジマジと見た。 「うそ」 悪戯っぽく笑って言い、けれど田所はすぐにムッと膨れて、今度は片手で私の後頭部を包んでギュウと自分の胸に押し付ける。 「離れるな、バカ」 ボソリと不機嫌な声が耳元で文句を言う。 いつもの偉そうな田所が復活して、嬉しくて、でもいつものようにムカついて。 「ハゲろ。そしてデブれ田所」 と言い返す。