私の気持ちなんか、一つしかない。
最初からずっと。
ずっとずっと田所だけを……
自分でも呆れるほどに想い続けてきた。
恋い焦がれて、愛しくて仕方がなくて、心と心がほんの少し触れるだけで、舞い上がるほどに嬉しくて。
身体を重ねれば、温かで優しい田所の体温に私の中は幸福感で一杯になった。
もういつ死んでもいいとさえ思った。
もう迷いもない、迷わない。
けれどそれを今、どう言葉にすれば良いかわからない。
やっぱり日本語は難しい。
「早く答えて。
俺、死にそう」
メソメソ泣いているくせに、ほんのり不満色をその顔に滲ませて田所が文句を言う。



