わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 こんなことろを近所の人に見られたら困るな、って。
 そんな不安が一瞬だけ脳裏をよぎったけれど、でもすぐにそんなことはどうでも良くなった。


 どうでも良くなるほど――

 田所がくれた言葉が嬉しかった。



「ほのかの全部を、俺にください」



 一気に押し出すようにして言い、田所はしゃくり上げた。


 涙でぐしゃぐしゃの酷い顔。
 それでも顔を逸らさず、真っ直ぐに私を見詰めてくる。

 見っとも無いほどに泣きじゃくって、すごく格好悪い。
 私なんかの為に、こんなに一生懸命でバカみたい。