わたしとあなたのありのまま ‥2‥



「田所は、『傍に居たら触れたくなるから辛い』って言った」

 私の声も田所に負けず劣らず震えていた。
 胸の奥からせり上げてくる、切ない痛みのせいだ。

 田所の声が震えているのも、同じ理由からだろうか。



「ほのかは、『触れてくれればいいのに』って言った」

 田所は少しふて腐れた顔をして、ボソボソと言う。
 喧嘩している子どものような幼稚な返しに驚いた。

 けれど、

「『触れたらキスしたくなる』って言った」

 と、躍起になって言い返した。

 そうしたらまた、

「『田所にだったら何をされても平気』って言った」

 と再び幼稚な返し。