浴室のタイル壁に張り付いている鏡の中の私は、想像を遥かに超えるほどの酷い顔をしていた。
おぞましい……
大袈裟でもなんでもなく、ホラーでスプラッター。
赤く腫れあがった瞼に圧迫されて、元々大きくない目が一段と小さくなってしまっている。
覇気がなく、屍のような表情。
ゾンビみたいだ。
シューティングゲームで、登場するなり即刻撃ち落とされるザコゾンビだ。
それでもシャワー後、化粧水やら乳液やらをペタペタといつもより多めに塗りたくれば、随分マシになった。
うん。生き返った。
不完全ではあるけれど。
そうして、いつも通りバイト先のコンビニへと向かった。



