*・*・*



「あ~あ」

 溜息混じりに気の抜けた声を漏らし、悠斗はせっかく起こした上体を再びアスファルトの上に落とす。

 大の字になった悠斗は、空をジッと見詰めたまま動かなくなった。
 というか、動くのを止めた。


 それによって俺も一気に戦意喪失。
 立ち上がって、跨っていた悠斗から離れた。


 傍らに立ち見下ろせば、悠斗は天から視線をこちらに移し、

「満足かよ?」

 言ってニッと笑って見せる。

 スッキリした爽やかな顔だ。
 と言っても、腫れあがって所々血で汚れ、崩れまくった酷い面をしているけど。