食むような荒々しいそれ。
 恥ずかしくて、息が出来なくて、苦痛でしかなかった。

 それなのに、更に田所の熱い舌が私の固く閉じた唇をこじ開けて、容赦なく侵入してくる。


 田所の胸を、何度も何度も押したり叩いたりして暴れたけれど、田所は何かに取り憑かれた様にその行為に没頭していて、ちっとも止めてはくれなかった。



 ようやく解放された時には、私の口元は田所の唾液でヌメヌメで。
 吐きそうなほどの嫌悪感を覚え、乱暴に自分の袖でそれを拭った。



「わかったよ、田所。
 私が間違ってた。
 もう、バカな望みは捨てる。
 もう二度と――
 田所には近付かない」

 悔しくて、涙が次から次へと溢れ出た。
 でも言わなきゃと思った。
 ちゃんと伝えなきゃ、と。