一斉に皆は財布を取り出し、言われた金額を照哉くんに差し出す。
そうして解散とばかりに、払い終わった人から順にその場を後にする。
その間にも、田所たちの傷はどんどん増えていって。
思わず目を逸らしたくなるほどに痛々しい。
私の右肩にそっと手が置かれ、隣を見上げれば、
「ほのかちゃんも帰ろう。
あいつらなら、大丈夫だから」
照哉くんが苦笑しながら、優しく諭すように言う。
「そんなこと……
できる訳ないじゃん。
ほっとけないよ」
言って大きく腕を回して、照哉くんの手を振り払った。
その瞬間、身体の自由が効くようになり、迷わず田所たちの元へと駆け寄った。
仰向けに横たわる田所の上に跨って、せなくんの左手は胸倉を掴み上げ、後方へ引いた右拳は今正に田所に向かって振り下ろされようとしていた。



