それからはもう、何が何だかわからなかった。 ただひたすらに、メチャクチャに、ガムシャラに。 激しく殴り合う二人。 綾子の悲鳴が響き渡った。 けれど、他の男子たちは誰も動こうとはせず、ただ呆然と眺めている。 私はというと。 思考も動きも封じられてしまったように。 まるで時が止まったかのように。 微動だにせず、そこに立ち尽くしていた。 視界が霞んだのは、 意識が遠のいたからだろうか。 「ちょっと、照くん、やめさせてよ!」 綾子の叫ぶような声が、やけに耳に響いた。