鈍い音が薄闇に響き、せなくんの顔が吹き飛んだ。
と同時に身体も傾きかけるが、せなくんは右足を一歩後方へ出して支え、すぐに体勢を立て直す。
そこへ再び田所の拳が、今度はせなくんの腹を目掛けて下から突き上げるように繰り出される。
せなくんは肩を引いてヒラリと難なくそれを避け、すかさずその腕を脇に抱えるように捕え、田所の腹部に左膝を入れる。
それによって『く』の字になった田所の、首下辺りに右前腕を叩き落とした。
田所の両手両膝が地に落ちた。
せなくんは、一瞬だけ顔を横向け、赤黒い液体を勢いよく吐き出した。
田所はすぐに膝を起こし、しゃがんだ体勢になる。
そしてすぐさま、せなくんの両足に飛び掛かり、それを両腕で抱え込んだ。
せなくんは足元をすくわれ後方に転倒、背中と腰をアスファルトに強く打ち付けた。



