わたしとあなたのありのまま ‥2‥



「ウジウジしやがって」

 重苦しい沈黙を破ったのは、またもせなくんだった。
 見下したようなニュアンスを含んだ声に、田所の顔がみるみる紅潮する。

 怒っているのか、傷付いているのか、その両方なのか。
 田所を染めた赤の意味が、私にはわからなかった。



「いつまでウダウダやってんだよ? フニャチン野郎。
 胸クソ悪くて反吐出るわ。
 あんだけ女に思われたら、そら気持ちぃよなぁ?
 手放したくねぇよなぁ?
 中途半端なことばっかしやがって。
 イラつくんだよ、クソが」

 低く静かな罵言罵倒が薄闇を鋭く切り裂いた。



 入口自動ドアが開き、照哉くんが携帯をいじりながら出て来た。
 その後ろから、ゾロゾロと他の皆も続く。


 けれど――
 もう手遅れだった。