「せ、せなくん、やめっ……」
首に巻き付けられた腕に喉元を圧迫されて、巧く声が出せない。
逃れようと必死でもがいたけれど、私なんかの力が男の子のそれに敵うはずもなくて。
「ほのかから離れろ」
凄まじい怒りを含んだ声と共に、田所がせなくんの背後からその左肩を掴んだ。
そうして、乱暴に私から引き剥がす。
「なんで? お前は良くて俺は駄目?
おかしくね? お前、この子の何?」
バカにしたように嘲笑混じりに言い、せなくんは蔑んだ視線を田所に向けた。
田所は何も答えない。
黙ってただ、せなくんの冷ややかな視線を受け止めていた。
答えられないのだ。
だって――
せなくんの言葉は、攻撃的ではあるけれど至って正論だ。



