本格的にヤバい、そう思った。
慌てて私も立ち上がり、あたふたと視線を泳がせていたら、入口自動ドアのガラス越しに、フロントでお金を払っている照哉くんが見えた。
そのすぐ後で、綾子は他の仲間たちと楽しげに話している。
助けを求めに行きたいけれど、今この場を離れるのは危険な気がした。
緊迫した空気の中で静かに向き合う不動の二人には、どちらかが少しでも身じろぎすれば爆発しそうな、そんな危さがあった。
「じゃあ秋山さんで試してみるわ。
今俺、気持ち酔ってっし」
せなくんはそう言って私に抱きつき、田所を真似て首筋に顔を埋める。
あまりに予想外で突然で、避けることができなかった。



